本物のアンティーク

本物を活かして

ロンドンから帰国して、 2004年に私たちは東京・目黒にfoundをオープンしました。

毎週のようにイギリスのアンティークマーケットに通い続け、自分たちの家のために入手した家具や雑貨たちが溢れんばかりになっていたのがひとつのきっかけでした。
その頃ヨーロッパのアンティーク家具市場では、いわゆる“シャビーシック”の流れが出始め、私たちもその流れに感銘を受け、オープン当初から、経年劣化で出来たサビや、幾重にも塗られているペイントの剥がれ具合がなんとも言えない家具や雑貨たち、 “インダストリアル”と言われるイギリスの工場やオフィス、学校、図書館などで使われていた家具たちを、使用用途を変えて提案していました。

その当時は、買い付けた家具を綺麗に掃除し、ワックスで仕上げてと素材そのままを活かして(ほとんど手を加えないで)商品を店頭に並べていました。

イギリスのインダストリアル家具

何故なら、本物が放つ力強さをそのままお客様に届けたかったから。
と格好よく言うとそんな感じなのですが、今思うと、それ以外、なす術(すべ)を知らなかったからかも・・・。

その後、フランスアンティークを中心に買い付けることが多くなりました。
布張り椅子やカウンター、テーブルなどを中心に扱い、ビロード布の椅子の座面をヴィンテージ のシルクやリネンファブリックなどで張り替えたり、重たい感じのするテーブルなどに塗ってある塗料を剥離したりと、軽快な雰囲気を出すため、ひとつ手を加えて提供する様になりました。
現代の空間に合う様に、アンティークの本物の良さがより引き立つ様にと・・・。
いまでは良く見られるアンティーク加工方法のひとつですが、もしかしたら、私たちが草分けかもしれません。

ここ数年、飽き性、いや、好奇心旺盛な主人(あるじ)は、ヘリテージはもちろんのこと、新たにヴィンテージ&デザイン家具を買い付けにベルギー、イタリア、オランダへと足を運んでいます。

もちろん、商品ひとつひとつの持つ良さを活かすことを考えながら、色々な組み合わせや可能性を求めて・・・。